【報告】市民活動のおしゃべりルーム「移動サービスvol.4」
移動サービスのおしゃべりルームは、2024年11月にスタートして今回で4回目となりました。「協力団体の意見交換会の場を設けて欲しい」という要望があり “いちのみやの移動サービス・現状と当事者の声”と題して、この8月23日(土)に開催されました。
一宮市内のNPO法人代表や医療関係者、ケアマネジャーのほか、近隣市町からの参加もあり、ファシリテーターの諌山さんとセンタースタッフの安田を含め、21名が集まりました。
●“いちのみやの移動サービス・現状と当事者の声”
1.大西さん(NPO法人生活助け合い・ねこの手ネット)
介護保険ではない部分の生活や送迎など社会生活のフォローをボランティアが行っている。家族より他人の方が頼みやすいというご本人の気持ちを汲みながら、また利用者家族に喜ばれており、活動20年を迎えた。
送迎を含む生活支援の必要性は大きいと感じており、出来る限りこの活動を続けていきたいとお話しされました。
2.日置さん(NPO法人一宮ボランティアグループリーダーの会)
中間支援組織として20年前に設立され、現在は福祉団体として運営している。2012年は18名の運転手で4300回の福祉移送を行ってきたが、2024年3月には利用件数が900回、運転手が4名となり担い手が減少。市民活動支援制度などの補助金を当初5年間利用した。
赤字経営となったことや誰が費用負担をするかなど移動サービスの厳しさについてお話しされました。
3.三守さん(NPO法人一宮まごころ)
2025年5月に発生した一宮市内での妊婦死亡事故を例に上げ、愛知県では名古屋市を除いて一宮市が交通事故ワースト1である現状を伝え、安全な送迎が必須。不安だけど車を運転しなくてはいけない方々が安心して免許の返納ができるよう、この活動をすすめられたら。
「この活動をはじめるにあたり法的に可能・不可能なことを知りたい」という意見について調査された内容など具体的なお話もされました。
●他市町の事例や各々感想など様々なお話もありました。
一宮市内で送迎を行う有償ボランティア市民活動団体や福祉有償移送団体から現状を聞いたり、“市民主体の移動サービス団体の立ち上げ“について具体的な話し合いをしたり、お一人ずつから感想などもお聞きしました。
大口町の市民団体からは、寄贈の福祉車両を活かしたサポートカー運営についてお話を伺いました。ドライバー2名で会員56名を病院など年間600回「ドアtoドア」で運航しているとのこと。任意保険や個人への責任などリスクが高いため、今後の展開は行政含めて更に検討していくとお話しされました。
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●アンケート(回答9/19名中)満足度:大変満足6、やや満足2、普通1
【おしゃべりルームについて】
・もう少し相互質問のやり取り時間があったら良いと思った。
・移動サービスの立ち上げへの思いを強く感じ、情熱を感じた。
・皆様から色々な立場のお話しを聞くことができ学びが深まった。
・一宮の取り組みについて生の声を聞くことができ、ご意見や悩みを知る事ができた。
・場所がいい、こういったことが企画できるスタッフが良い。
・移送サービスや福祉輸送ほか、色々な話が聞けた。
・有償ボランティアの移送サービスの課題について知ることができた。
・責任のある仕事をしているボランティアさんに頭が下がる。ボランティアが増えるといい。
・初参加でしたが参考にさせて頂く良い機会だった。
・更にこれからの時代ニーズに伴う最も大事なサービス事業と思えば推進実現に至ることを期待。
・反面これを発足して永続的に運営展開するにも大変なご苦労も伴うことも分かった。
・移動サービスにも色々なやり方がある事がわかり勉強になった。
・まだ仕事をしているが、何かお手伝いが出来ることがあればと思った。
・助け合い活動(社会貢献)への参加に意味があるのではないかと思った。
・これからの活動に興味を持ち、何が出来るのかわからないが関わりを継続させたい。
・自治体によりサービスも大きく違うため、他市町との交流は大変に重要と感じた。
・今後使いやすいサービスになることを願っている。
・人の問題や資金・車両の確保等が課題になると思った。など
●4回の開催を終えて(スタッフ安田)
1回目に一宮市全体の地図への書き込みを行うことで一宮市内の交通移動問題が浮き彫りになりました。中心部と周辺部で交通移動に関して温度差もありますが、買い物については車で行かざるを得ない現状もわかりました。
話し合いばかりでなく、運転手と利用者を会員登録制にして会員同士の助け合いを進めていく許可・登録不要の移動サービス団体「ドアtoドアいちのみや」の立ち上げを提案されました。この団体では「おでかけマッチング」という仕組みをミニマムで始めて、セカンドキャリアの方たちを取り込みながら担い手を養成し、協力者やスポンサーも確保して有償での運営を目指します。福祉タクシーを利用できる方は大いに使ってもらいたいとの意見もでました。
今後も様々な方々に関わってもらえたらと考えます。2025年12月20日(土)には総まとめとして「テーマ別セッション大交流会+2025忘年会」を開催します。センター内会議室でテーマ毎にテーブルを配置して、近況報告や今後の活動など、ゆるやかに話し合います。お時間ありましたらぜひご参加ください!